以下、猫丸さんのサイトの引用です。
■生物濾過って?
 さて、難題の生物濾過です。これも吸着濾過と同じように、悪い物質を水から取り除くことを目的にしています。ですが、吸着濾過のように活性炭に吸い取ってもらうという単純な話ではないので、ややこしいのです。では、どういう風に悪い物質を除去するのか、順番に説明します。
 まず水槽の中で、魚たちがをします。また、水草が腐ったりします。そこからは1番目の悪い物質「アンモニア」が発生します。ですが、なかなか良くできたもので、このアンモニアを食べるバクテリアが水槽内に自然にわき上がって来るんです。どこから来るのかは見たことがないのでよくわかりませんが、元々空気中に漂っているものだとか、水の中にはじめから居るとか言われています。でも、そんなことはとりあえずおいておきましょう。まずは、アンモニアが発生すると、それを食べるバクテリアも発生して、アンモニアをエサにして水槽内で増殖するということを覚えてくださいね。さて、このバクテリア、目に見えませんがこれも生物です。食べたら糞をします(糞という表現は適切ではないかも知れませんが、とりあえず)。それで、このバクテリアはアンモニアを食べて、「亜硝酸」を出します。せっかくアンモニアを食べてくれたのですが、またもや悪い物質の亜硝酸を出してしまいます。困りましたね。でも、またも良くできたもので、今度はこの亜硝酸を食べるバクテリアもどこかからやってくるんです。そして、亜硝酸をエサにして、またも糞をします。今度の糞は硝酸塩です。上でも説明しましたが、硝酸塩は比較的無害な物質です。順番に書きますと、

魚の糞→アンモニア→亜硝酸→硝酸塩

こうしてバクテリアの働きで糞から発生する「アンモニア」を「亜硝酸」を経由して比較的無害な「硝酸塩」に変えることができます。このようにバクテリア(濾過バクテリアと呼ぶ)を利用して悪い物質を無害化することを”生物濾過”といいます。ちなみに、「硝酸塩」も貯まってくるとまずいですので、それは水換えによって水槽の外に出してしまいます。

■実際の水槽では?
 さて、理屈はわかりましたが実際の水槽ではどうなっているのでしょうか?物理濾過はゴミをこし取っている部分ですのでよくわかると思いますし、吸着濾過も活性炭でやることがほとんどですのですぐにわかります。ですが、生物濾過はどこでやられているのか、なかなかわかりにくいと思います。濾過バクテリアは目に見えませんし。実は、濾過バクテリアは水槽の至る所に住んでいます。水の中はもちろんですが、濾過器の中、底砂の中、ガラス面など、あらゆるところに居ます。ですが、この濾過バクテリアも居心地が良いところにはたくさん居着くようでして、通気性が良く、なおかつ居着きやすいくぼみなどがお気に入りのようです。ですので、それらのバクテリアのすみかとして生物濾材というものを濾過器に入れる場合が多いです。小さな穴が無数にあいたリングになったものやウールなどの繊維、スポンジや軽石や砂利などを生物濾材とする場合が多いです。そういうものを入れておくと、濾過バクテリアが住み着きやすくなります。

 
■濾過ができあがるまで
 よく、掲示板で質問などすると、「それは濾過ができていませんね」なんて言われますが、そんなこと言われてもわからない場合には困りますね。濾過ができていない状態というのはどういうことなのか、わかっていただくために、水槽を新しく初めてから濾過ができあがったと言われるところまでの課程を順番に書いてみたいと思います。また、主に濾過ができていないといわれる状態は生物濾過についての場合がほとんどですので、他の濾過については説明しません。

①水槽をセットし、新品の濾材を濾過器に入れて、新しい水、魚を入れてスタートです。
②魚が餌を食べて糞をします。糞からはアンモニアが発生します。
③アンモニアの量が増えてきます。それに従ってアンモニアを食べる濾過バクテリアも増えてきます。
④アンモニアを食べる濾過バクテリアが十分に増えてきたのでアンモニアが減り始めます。ですが、かわりに亜硝酸が発生します。
⑤亜硝酸が増えてきたので、それに従って亜硝酸を食べる濾過バクテリアも増えてきます。また、このときアンモニアを食べる濾過バクテリアはすでにかなり多くなっていますので、糞から発生するアンモニアはすぐに食べられてしまい、ほとんど検出できない濃度になっていきます。
⑥亜硝酸を食べる濾過バクテリアが十分に増えてきたので亜硝酸も減り始めます。ですが、かわりに硝酸塩が発生します。
⑦硝酸塩を分解できるバクテリアは、通常の水槽にはほとんど発生しませんので硝酸塩は水中に貯まってゆきます。また、このとき亜硝酸を食べる濾過バクテリアはすでにかなり多くなっていますので、アンモニアから発生する亜硝酸はすぐに食べられてしまい、ほとんど検出できない濃度になっていきます。
⑧硝酸塩が貯まってきたら、水換えをして外に排出します。

上記の①~⑦までが濾過のできあがる課程です。⑦まで到達すれば一応、「濾過ができあがった」と言えると思います。
この様子を、水槽内のアンモニア、亜硝酸、硝酸塩の濃度と、濾過バクテリアの数について模式的に図にしたのが以下です。あくまでも模式ですので、正確な数値ではありませんが、イメージをつかんでいただけるように載せてみました。実際に水槽立ち上げから、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩の濃度を記録し続けると、このような図を書くことができると思います。



■濾過バクテリアについて
 はじめから”濾過バクテリア”とひとくくりで説明してきましたが、実は名前が付いています。アンモニアを亜硝酸へと変化させる濾過バクテリアは、「ニトロ・ソモナス属」、亜硝酸を硝酸塩へと変化させる濾過バクテリアは「ニトロ・バクター属」と呼ばれています。難しいので、個人的には両方とも濾過バクテリアで良いと思いますが(笑)。

■濾過バクテリアの維持
 一度発生した濾過バクテリアを殺してしまうと、また悪い物質が増えてきたりします。ですので、せっかく増えた濾過バクテリアを維持するための注意点などを書いてみたいと思います。濾過バクテリアが生存し続ける条件は、酸素があることエサ(アンモニア、亜硝酸)があることです。また、水温があまりにも高かったり、低かったりしてもバクテリアはダメージを受けます。さらに、薬などにも弱いですので、水道水に含まれる塩素などにも注意する必要があります。それらを頭に入れて、濾過バクテリアをしっかりと維持しましょう。